虚
それは本来、全知全能の神が持つ盾。
盾とは何か。
使用者を攻撃から守ること。
使用者を攻撃から守るために最も確実なことは何か。
使用者が攻撃されぬよう、敵を滅ぼすこと――
自律を得たイージスは、誰よりも盾たらんと進軍し、敵を打ち砕く。
実
その堅牢さ、剛性、勝るもの無し――
西の砦に攻め込む敵の猛攻に、ロードは力の限りの軍勢を召喚して応戦する。
「東の砦は案ずるな。あちらはイージスが守っている!」
……守って……いる?
東の砦の前は、空。
敵を倒したイージスは持ち場を離れてゆっくりと進軍しており……
「ゴオオオオン!」
咆哮とともに、巨大なランスが敵拠点に振り下ろされる。
戦いは終わった。
「ま……まあ……これはこれで、いいか……」
真
「ゴオオオン!」
我、最強の盾たらん……全てを殲滅する……!
イージスは全力をこめ、しっかりと狙いを定め、ランスを敵に振り下ろす。
ぷちっ
1匹のスケルトンが粉々に砕ける。
イージスは全力をこめ、しっかりと狙いを定め、ランスを敵に振り下ろす。
ぷちっ
1匹のスケルトンが粉々に砕ける。
イージスは全力をこめ、しっかりと狙いを定め……
そうこうしているうちに、イージスの全身はスケルトンの大群に傷つけられ、ぼろぼろとなっていく。
「イージス……まめすぎる……振り払うとかしたらどうだ!?」
「ゴオオオン」
ロードの言葉に、イージスはゆっくりと首を降る。
「じゃ、じゃあ……雑兵は無視して、砦を攻撃してくれ!」
「ゴオオオン」
イージスはゆっくりと首を降る。
物事はひとつひとつきっちりカタをつける、大雑把なのは嫌い、らしい……
深
目の前にスケルトンの軍勢を見たイージスは、危険を悟った。
あれは自身の性格的に、苦手な敵。
ロードから任された砦を、守れないかもしれない……!
全知全能の神の神器であるイージスは、その神通力によってロードの心に直接呼びかけ、増援を要請する。
(ゴオオオン……ゴオ、ゴオオオン……
ゴオン、ゴオオオンゴオオオン……
ゴオオオオン……ゴオオオオン……)
「わからない!」
遠方のロードは頭をくしゃくしゃに掻いたが、とりあえず広範囲を攻撃する魔術師を召喚し、援軍に向かわせた。
罪
水中からの攻撃……!
橋を渡るイージスには、攻撃する手段がない!
「この海王さまが露払いしてあげるから、頑張るんだよ!」
主の姉君、ポセイドンが川に潜って三つ叉矛を振り回す。
「待ていイージス。気を散らす雑兵どもは冥王が自爆で片付けてくれようぞ!」
主の兄君、ハデスがイージスの前をゆき、盛大な自爆で砦をがら空きにする。
だが、伏兵がいた。
イージスをスケルトンの軍団が囲む。
イージスは混乱する。誰から優先的に排除すればいいのか……
そのとき、無慈悲の神雷がスケルトンを灰に変えた。
「やれい、我が最強の盾、イージス!」
さらに、ロードの声が響く。
「イージスの攻撃が通れば勝利だ! とどめをさせ、イージス!」
……なぜ、盾である自分が、主たちに守られているのか。
いや、きっとそこに疑問はない。
主たちも、我も、誰か一人を守っているのではない。もっと大きなものを守っているのだ。
イージスは、柱のようなランスを砦に突き立てた。
余談
ギリシャ神話で、ゼウスが所持しているという防具。
防具というだけで、盾か鎧かは明確ではない。
ゼウスが自身の娘アテナに貸し出すことも。
lov3から参戦。
特定の主人公のパートナー使い魔ではなかったが、ストーリーモード中で主人公・イスカルが「ゆくぞ、イージス!」と呼びかける場面がある。
lov3ショートアニメでは、反乱軍側の主人公たちが全員でイージスを召喚し、皇帝軍側のバハムートと対峙して終わる。
4ではデザインが変わり再び参戦している。
サヴァスロのイージスは真面目な頑張り屋。
真面目だが少し融通が利かない様子。
まさに防具、堅物といったところ。