虚
おいらが植物か動物かって……?
細かいこと気にするんだな、赤い目の人間。
おいらたちは土の布団でぬくんでるだけさ。
ひっこぬくなよ……?
ひっこぬかれると……おいらたち盛り上がりすぎて、叫んだ上に爆発しちゃうからよ。
たとえ話じゃないぞ。本当に爆発しちゃうんだ。爆発。
で、人間。おいらたち、植物か動物か、どっちだと思う?
実
赤い目の人間……おまえ、恐ろしいこと思いつくな。
引っこ抜かれたおいらたちが爆発する性質を使って、相手の軍団を焼き払うとか……ちょっとさすがに……
完全においらたちを、爆弾か何かと思ってるだろ……
まあいい。
戦果を出せば、他のおいらたちのために栄養たっぷりの土をくれるんだな?
おいらたちは一にして全。全にして一。
やってやろうじゃないか……あばよ、おいらたち!
後は頼んだぜ、おいらたち!
真
――おいらがやられたようだな
――やつはおいらの中でも最弱のおいら
――おいらの面汚しよ……
――……おいらの面汚しなら、まずいんじゃねえの?
……ん? 聞いていたのか、人間。
さっきはよくも無茶な命令をしてくれたな。
え? 増えてる?
違うぞ、これは株分けと言ってな。
増えているように見えるが、全部おいらだ。
しかし人間、お前らは不便だよな。
おいらは増えたおいらと会議ごっこすれば、いつだってさみしくないのに……
増えたって言った?
言ってないぞ。だって、増えてないんだから。
深
人間、お前もあの伝説を知ってるか?
『始まりに、創造の神あり――
創造の神は、その心臓を7つに分け、
異なる次元に封印せり――
7つの次元は緩やかに重なりあいつつ、
だが互いに干渉せず、世界は存在していた――』
そう、当然わかるな?
おいらたち、マンドレイクのことだな。
始まりのマンドレイクが7つに株分けして、みんな違う地方に行ったってことだな。
おいらみたいにぬくい地方に行ったやつもいれば、寒い地方に行って変な進化を遂げたやつもいるらしいぞ。
そして、7種のマンドレイクを全て集めた時――
伝説の王、創世のマンドレイクが誕生する――
……7種もいるのかな? なんか怪しくなってきたぞ……
罪
人間、おいら前から思ってたんだけどさ。
お前、おいらたちを使い魔というより魔法ぐらいに思ってない?
植物でも動物でもなく……使い切りの、魔法。
……へへへ、まあ、それでいいってことさ。
おいらはマンドレイクを超えた、マジックマンドレイク……
さて、今日も戦場に花火を打ち上げてやろうかね。
ロウソクの炎は消える前の一瞬が一番強く輝く……
マンドレイクの一生は太く短くだ。
さあロード、おいらたちの運命を決めてくれ。
いや、倉庫にあふれるぐらい株分けしまくってるけど。
マンドレイクの一生は、太く長くでもあるわけよ。
余談
引っこ抜くと絶叫し、その叫びを聞いた者は命を落とすと言われている伝説上の植物。
lov1.0から登場。
植物らしく移動は最遅、しかしアルカナに到達したらバリバリと猛烈な早さで割る攻城兵器だった。
そのスキルの中では攻撃力も高くて戦闘力もあり、かなり怖い存在。
2にも参戦し、3では個人名「ミョーン」を獲得して参戦した。
サヴァスロでは3体一組のマンドレイク種として参戦。
素早く駆け込み自爆攻撃を行うので、フレーバーで言われているようにほとんどスペルである。
「深」で語っている『あの伝説』は、lov1のスタートガイド(ゲームセンターの無料配布冊子)の表紙裏に書かれていた文。