虚
この世とあの世の境目に、一つの門あり。
生者よ、死の門を越える勇気はあるか。
ふん、あろうがなかろうが、我の知ったことではない。
汝らは門と聞けば、自らくぐることばかりを考える。
門は門。
門が開けば、向こうからこちらへ出てくることだって当然にあろう。
それが我だ。
我こそは死。逃れられぬ死の運命なり。
実
ククク……勤勉なり。
人とは限りある命ゆえか
教訓を見出すことに必死よのう。
「二度あることは三度ある」。
「三度目の正直」。
ククク……どちらが真か?
三度だ。
三度目で終わり。
それ以降は無い。
真
汝の希望はいつ届く?
汝の夢はいつ叶う?
それは果たして、汝の影を追うているか?
汝の体が時を忘れ楽しめるとき
汝の心が不安を知らず穏やかなるとき
休むことなく汝を追うているのはこの我よ。
我は迫る。
我が三度、汝の心の蔵を叩く前に。
汝がその脚で自ら追うがよい。
その、希望や夢、とやらをな。
ククク……
深
まったく……
いくら冥府に連れて行こうと、アルカナの力で簡単に復活してしまう。
冥府と地上を行き来できるのは、我の特権であったというのに……
ロード同士の戦いとなれば、命のなんと軽く安きことよ。嘆かわしい。
まるで、マナの削りあいのためだけに我は死の鎌をふるっているかのごとし。
しかも、肝心のロードは敗れても冥府のものとはならん始末。
冥府に連れ出す間もなく、どこかへ消えてしまう……
はて……どこへ?
罪
敗れたロードは、勝者のアルカナに吸収されるのだな。
幾度もその魂を横取りせんと試みたが、我が手は空を切るのみ。
何のため、誰がためにそうなっているかは、知らん。
だが死霊術士のロードよ、
汝が敗れれば、我が手による救済もかなわんことは確実。
その際、アルカナの契約を結んでいた我らもまたどうなるか……
いや、自明であるな。
汝が敗者の使い魔を使えんように、我らもまた封じられるのであろう。
ククク……この死王に、絶対死の運命が迫るとは。
命を持たずして生まれたロードよ。汝を敗れさせるわけにはいかん。
この死王、今、全ての力を解放して、
汝を死の運命から守る刃となろうぞ。
余談
ファンタジー文化の中では同じみなった死神的な存在。
元々「リッチ」とはただの死体・腐敗を表わす言葉であり、先駆的なTRPGで上位のアンデッドモンスターとして用いられ、定番化した。
1990年代には、TRPGとの商標を危惧して「リッチ」を避けるファンタジーコンテンツもあった。
今ではどこもが「バハムート」を竜として使っているし、持ちつ持たれつというところだろうか。
lovでは1から登場。
軽い気持ちで契約してしまったウィッチを脅しながら、お供として旅をしていた。
3では「ガルファス」という個人名で登場。
サヴァスロでは、オレールの専用使い魔として登場。
初期は自分を倒した相手を道連れにする能力だったが、
大型使い魔だろうと楽々処理できたのが問題視されたのかリニューアルアップデートで大幅に性能変更。
飛行するようになり、リッチが三度攻撃した相手を道連れにする能力に変更された。
なお、「実」〜「真」のフレーバーテキストは変更後の内容に沿っている。
元々は異なるフレーバーテキストが予定されていたのだろうか。