サーヴァントオブスローンズ(サヴァスロ)攻略Wiki(非公式) - 応龍 FT

応龍

紅き瞳の者……何ゆえ我がもとを訪れた。
いかにも、我は応龍。
天地開闢の聖帝と共に、あのシュウを打ち倒し龍……
なるほど、そなたも為政者らしい。
善なる心で治水に悩むのならば、水路を開くぐらいは手伝おう。
……なに?
そなた……今、なんと言った?
殺生の戒めを破り、天へ帰することかなわずとなった我に……
殺生の協力を請うというのか!

応龍が操るのは水。
天を駆け、雨雲を食らい、激流を吐き出す。
雲がそのまま降ってきたかごとき壁か山かという水の圧は、か弱き生命にはひとたまりもない。
今、応龍はまた一つ、陸を海に沈めた。
だが、嵐の目は次の敵ではなく紅い瞳のロードへと向けられている。
この者に、かつての聖帝のごとき善なる意思があるかどうかを、見極めんと。

紅き瞳の者……ロードよ。
そなたの理想が聖帝の願いをたどる限り、我はそなたに力を貸そう。
だが、ゆめゆめ忘れるなかれ。
我が主は開闢の聖帝……神により治世の定めを植え付けられし無垢なる少女の王、その理想一人。
そなたが理想を違えた時、我が嵐の波濤はそなたの敵ではなく、そなた自身に牙を向くと知れ。

「しかし偉大なる応龍どの。どうしてこのロードに手を貸そうなどと思ったのじゃ」
「……」
仙女の問いに、応龍は黙して答えない。
「たびたび、中原の大乱ありてもその姿を現さぬ応龍どの……妾はそのように記憶しておるが……
さすれば、こたびの呼びかけには応えまいと、妾はたかをくくっておったのに」
仙女は無邪気に苦笑して、宝貝を手に一言を添える。
「応龍どのとやりあうことにもなろうと……気の使い損になったわ。
妾が勝てるなどとは、露ほども思ってもおらんかったが」
応龍の双眸は、暮れる空の彼方を見つめている。
「……未熟だ。だが、確かに似ているのだ」
それは返答というよりも、龍の口から漏れ出た呟きであった。

開闢の聖帝――応龍が記憶するその幼き少女は、
創造主から与えられた知恵と神通力で、平和なる世を開いた。
応龍は聖帝に協力し、破壊と争いで世を開かんとする兵主神シュウを封じた。
聖帝は民を愛し、民は聖帝を愛し、人々は争う心も憎む心も忘れ、この世に楽土は築かれた。
だが、その楽土は真なる敵の前に、あまりにも脆かった。
すべてが滅んだそのとき、応龍は聖帝の嘆きを聞いた。
「私は、取り返しのつかない過ちを犯した」
聖帝――諦めてはならぬ――
「応龍よ。戦いを忘れたものに、戦いから身を守れるわけもなかったのだ」

 ………

「ほう、かのロードのどこが、応龍どのの主と似ているのじゃ」
「……」
「つれんのう……たかが仙人ごときでは、四霊にして五龍どのとは口もきけぬか。
まあよい、言わんでもわかるよ。妾もきっと、その言葉で口説かれたんじゃからな」
“戦わぬ者に、微笑む運命はない”
全てを成し遂げたはずの聖帝が最後にたどり着いたその言葉――
そこからすべてを始めたロードの背中を、応龍と仙女は静かに見守る。


余談
中国の伝説に登場する龍。
水を操り、善なる為政者のために雨を降らしたり洪水を止めたりする。
「殺生をしてはならない」という天の取り決めをやぶり、天に帰ることができなくなった。

lovでは2末から海種の最大コストとして参戦。実用性はともかく、技が非常にかっこよかった。
lov4でも海種の大型使い魔として参戦している。

サヴァスロでは、ロードを厳しい目で見守る立場で参戦。
「罪」で語られている『開闢の聖帝』は、中国の五帝の伝説の一人。
『開闢の聖帝』はlov3では降魔として少女の姿で参戦していた。