嫉妬の炎――黒淵の焔に捕われたロードは、ついに人魚本命チョコにかじりついた。
「ああ……チョコが……!」
だが次の瞬間……
爆発!!
ロードは彼方へ吹っ飛び、地に伏した。
「すり替えておいたのさ……!
二人が戦っている間に、
人魚本命チョコを
マンドレイクチョコとね!」
「その声は、ミリア……!」
「ハルフゥちゃん、ロードのケアは私に任せて。
ロードが心身共に疲れ果てた時こそ、サキュバスの歩み寄る余地が生まれるというもの。
ここで思いっきり甘やかして、ロードは私にメロメロなんだから」
「まさか……最初からそれが狙いで!?」
「そう……黒幕は私。これが本当のエッチポンプ!」
「マッチポンプじゃない……?
でも、人魚本命チョコはどうしよう?」
「それなら適任がいるじゃない。アフロちゃんに頼めば大丈夫だよ」
「あ、そっか。元王子様の隠居まで一直線だね!」
二人はいえーい☆とハイタッチを交わす。
彗星の如く現われた一日限りの新ブランド
「人魚チョコ」――
そして嫉妬に暴走した赤眼の戦士――
それらは、新たなる伝説として陸の上で語り継がれることとなった。