おれ、巨人。
おれ、細かいこと、にがて。
おれ、難しいこと、わからない。
おれ、巨人だけど、お前の役に立てるか、わからない……
前に進んで、敵の砦を壊す?
おれ、それならわかる。それならできる!
――巨人は笑顔で前進し、難攻不落の砦の門をあっさりとこじ開けた。
おれ、細かいこと、にがて。
おれ、難しいこと、わからない。
おれ、巨人だけど、お前の役に立てるか、わからない……
前に進んで、敵の砦を壊す?
おれ、それならわかる。それならできる!
――巨人は笑顔で前進し、難攻不落の砦の門をあっさりとこじ開けた。
「闇の巨人よ、生き生きとしているな」
足元から声がしたので、巨人は声の主を探した。
腕組みをして立つ、炎の魔人だった。
巨人はにかりと笑う。
「おれ、仕事できて、楽しい。俺、強い! グフフフフ」
「単純ならば、単純ゆえの強さがある……学ばせてもらったぞ、巨人」
「俺、褒められた? 俺、嬉しい! グフフフフ」
鼻歌を歌いながら敵の砦に向かうギガスの背に、炎の魔人は独りごちる。
「……金色に輝きし闇の巨人……我々は、やつを侮っていたかもしれんな……そうは思わんか?」
炎の魔人の呟きは、虚空へと消える。
足元から声がしたので、巨人は声の主を探した。
腕組みをして立つ、炎の魔人だった。
巨人はにかりと笑う。
「おれ、仕事できて、楽しい。俺、強い! グフフフフ」
「単純ならば、単純ゆえの強さがある……学ばせてもらったぞ、巨人」
「俺、褒められた? 俺、嬉しい! グフフフフ」
鼻歌を歌いながら敵の砦に向かうギガスの背に、炎の魔人は独りごちる。
「……金色に輝きし闇の巨人……我々は、やつを侮っていたかもしれんな……そうは思わんか?」
炎の魔人の呟きは、虚空へと消える。
敵軍の攻撃が砦を攻めようとしたそのとき――
砦の前に緑色の巨体が現れる。
敵軍は恐れおののき、砦を攻めることも忘れて巨人を攻め始めた。
巨人は敵の攻撃にかまいもせず、まっすぐに向かい側の砦へと歩を進めていく。
だが、その表情は笑ってはおらず、痛みに耐えているかのごとし。
巨人の背後、砦から援護する射手や魔術師たちは、その力を十全に発揮して敵を殲滅した。
(ロードよ……『囮』を願い出たのは、あの巨人からか)
本拠地から砦を見つめていたロードの心中に、声が響いた。
体内のアルカナからの問いかけに、ロードは無言で頷く。
(……強い!!)
それは、ロードの強大なる使い魔――竜皇の歓喜の咆哮だった。
砦の前に緑色の巨体が現れる。
敵軍は恐れおののき、砦を攻めることも忘れて巨人を攻め始めた。
巨人は敵の攻撃にかまいもせず、まっすぐに向かい側の砦へと歩を進めていく。
だが、その表情は笑ってはおらず、痛みに耐えているかのごとし。
巨人の背後、砦から援護する射手や魔術師たちは、その力を十全に発揮して敵を殲滅した。
(ロードよ……『囮』を願い出たのは、あの巨人からか)
本拠地から砦を見つめていたロードの心中に、声が響いた。
体内のアルカナからの問いかけに、ロードは無言で頷く。
(……強い!!)
それは、ロードの強大なる使い魔――竜皇の歓喜の咆哮だった。
おれ、でかい!
おれ、目立つ!
おれ、壊すだけじゃない! みんなの盾にも、なれる!
痛みを覚悟して戦場に降り立った巨人を、上空からの影が取り囲む。
空を機敏に舞い攻撃してくるハーピーやフェアリーを、愚鈍な巨人は払うすべを持たない。
敵は小物、それも小数。
だがそれでも、巨人は無力だった。
そのとき、空中からの電撃に撃たれて、断末魔と地に落ちた。
次の瞬間、また1体、さらに1体……次々と電撃を浴びて、落下していく。
「ちょっとあんた、無茶にもほどあるわよ!」
塔の上から、箒にのった魔女が手のひらに雷球を浮かべている。
「助かった。ありがとう」
「あら、素直じゃない。ふふん、私はこの塔……魔法陣の上にいる限り、百発百中なんだからね!」
「……おまえ、そこ、動けない……?」
「そ、そうよ……ポンコツで悪かったわね! あ、えっ……そんなの、アリ!? きゃっー!」
ギガスは魔女の作った塔をひっこぬき、担いで前進する。
魔女は悲鳴をあげながら、ギガスの型から電撃をばらまく。
これはいい。これは賑やか。こいつと一緒にいると、なんだか楽しい。
おれ、目立つ!
おれ、壊すだけじゃない! みんなの盾にも、なれる!
痛みを覚悟して戦場に降り立った巨人を、上空からの影が取り囲む。
空を機敏に舞い攻撃してくるハーピーやフェアリーを、愚鈍な巨人は払うすべを持たない。
敵は小物、それも小数。
だがそれでも、巨人は無力だった。
そのとき、空中からの電撃に撃たれて、断末魔と地に落ちた。
次の瞬間、また1体、さらに1体……次々と電撃を浴びて、落下していく。
「ちょっとあんた、無茶にもほどあるわよ!」
塔の上から、箒にのった魔女が手のひらに雷球を浮かべている。
「助かった。ありがとう」
「あら、素直じゃない。ふふん、私はこの塔……魔法陣の上にいる限り、百発百中なんだからね!」
「……おまえ、そこ、動けない……?」
「そ、そうよ……ポンコツで悪かったわね! あ、えっ……そんなの、アリ!? きゃっー!」
ギガスは魔女の作った塔をひっこぬき、担いで前進する。
魔女は悲鳴をあげながら、ギガスの型から電撃をばらまく。
これはいい。これは賑やか。こいつと一緒にいると、なんだか楽しい。
あれを見よ
あれを恐れよ
あれは魔種の中の魔種
金色に輝きし伝説の闇の巨人――
戦いの中で全ての力を解放した巨人は、最も強きロードの使い魔の一人として、畏怖と尊敬の荒野を征く。
その背後には、獄炎の魔人、あどけなき淫魔、最強の竜皇、偉大なる魔女――
紅蓮の血と炎に彩られし伝説が、今始まる。
あれを恐れよ
あれは魔種の中の魔種
金色に輝きし伝説の闇の巨人――
戦いの中で全ての力を解放した巨人は、最も強きロードの使い魔の一人として、畏怖と尊敬の荒野を征く。
その背後には、獄炎の魔人、あどけなき淫魔、最強の竜皇、偉大なる魔女――
紅蓮の血と炎に彩られし伝説が、今始まる。
ギリシア神話に登場する巨人。
複数形・総称はギガンテス。
lov1.0からの最古参。たった2種類しかいなかった魔種SRの一枚だった。しかも最大コスト。
しかしその性能、とくに切り札となるべき30コストの技が、初心者から最上級者まで目を疑うような「効果無し」の技だったので、
誰の目にも優しい一目でわか残念SRとしてネタ化した。
最初期のlovはSRが最高レアであり、封入率も非常に低かったので、カードショップでは1枚1万円以上が珍しくない高騰具合だったが、ギガスは1000円未満で買えた。
金色に輝き闇属性だったので「金色なりし闇の王」などと言われ、(カード掘りの際に貴重なSR枠を消費して引いてしまうことを)恐れられた。
ネタとはいえ愛される人気キャラであったことは間違いなく、2や3にも登場している。
サヴァスロでは頼れる戦術の要として汚名返上、名誉挽回。
無骨だが、普通に強い。
フレーバーテキストもlov1時代を知る者たちが彼の強さを認める話となっており、
「実」で話しかけている炎の魔人はイフリート、
「真」で彼を強いと表している竜皇はバハムート、
「深」で彼とコンビを組んでいるのはウィッチ、
「罪」で出てきているあどけない淫乱魔はサキュバス(ミリア)、
皆、lov1.0からの最古参にしてギガスの同期・同僚である。
ウィッチを除けば皆が魔種の同僚で、ウィッチについては「偉大なる魔女のサーガ」で一緒に冒険をしていた。
本フレーバーテキストは、サヴァスロでギガスが再評価される10年来の物語と言えるだろう。
実でイフリートが「侮っていた……そう思わんか?」と尋ねている相手は、ニドかリシアか、スマホの前にいる古参のプレイヤーか。
複数形・総称はギガンテス。
lov1.0からの最古参。たった2種類しかいなかった魔種SRの一枚だった。しかも最大コスト。
しかしその性能、とくに切り札となるべき30コストの技が、初心者から最上級者まで目を疑うような「効果無し」の技だったので、
誰の目にも優しい一目でわか残念SRとしてネタ化した。
最初期のlovはSRが最高レアであり、封入率も非常に低かったので、カードショップでは1枚1万円以上が珍しくない高騰具合だったが、ギガスは1000円未満で買えた。
金色に輝き闇属性だったので「金色なりし闇の王」などと言われ、(カード掘りの際に貴重なSR枠を消費して引いてしまうことを)恐れられた。
ネタとはいえ愛される人気キャラであったことは間違いなく、2や3にも登場している。
サヴァスロでは頼れる戦術の要として汚名返上、名誉挽回。
無骨だが、普通に強い。
フレーバーテキストもlov1時代を知る者たちが彼の強さを認める話となっており、
「実」で話しかけている炎の魔人はイフリート、
「真」で彼を強いと表している竜皇はバハムート、
「深」で彼とコンビを組んでいるのはウィッチ、
「罪」で出てきているあどけない淫乱魔はサキュバス(ミリア)、
皆、lov1.0からの最古参にしてギガスの同期・同僚である。
ウィッチを除けば皆が魔種の同僚で、ウィッチについては「偉大なる魔女のサーガ」で一緒に冒険をしていた。
本フレーバーテキストは、サヴァスロでギガスが再評価される10年来の物語と言えるだろう。
実でイフリートが「侮っていた……そう思わんか?」と尋ねている相手は、ニドかリシアか、スマホの前にいる古参のプレイヤーか。
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