村外れに、ケンタウロスが出る。
馬の脚で縦横に駆けながら、人から奪った弓を引いて家畜を荒らすという。
その討伐に、村一番の戦士が名乗りを上げた。
彼は勇敢で、木を一撃で切り倒し、剣術の大会では負けたことがなかった。
村外れの草原で、ついに戦士とケンタウロスは対峙した。
「私に挑むだと?
全力でかかってこいだと?
人間の戦士よ、本気で言っているのか?」
戦士は剣を両手で構えて頷いた。
「……人間の戦士よ。
私とお前では体のつくりが違うのだ。
私は、馬のようにお前から遠ざかりながら、延々と矢を射ることができる。
全力でお前から離れながら、背後を向いて矢が撃てるのだ。
お前は一生私に追いつけず、そして逃げきれず、死ぬまで矢を撃たれる。
戦士よ、この意味がわかるか?」
馬の脚で縦横に駆けながら、人から奪った弓を引いて家畜を荒らすという。
その討伐に、村一番の戦士が名乗りを上げた。
彼は勇敢で、木を一撃で切り倒し、剣術の大会では負けたことがなかった。
村外れの草原で、ついに戦士とケンタウロスは対峙した。
「私に挑むだと?
全力でかかってこいだと?
人間の戦士よ、本気で言っているのか?」
戦士は剣を両手で構えて頷いた。
「……人間の戦士よ。
私とお前では体のつくりが違うのだ。
私は、馬のようにお前から遠ざかりながら、延々と矢を射ることができる。
全力でお前から離れながら、背後を向いて矢が撃てるのだ。
お前は一生私に追いつけず、そして逃げきれず、死ぬまで矢を撃たれる。
戦士よ、この意味がわかるか?」
久しいな、戦士よ。
今日も私に挑むというのか。
前回の逃げっぷりは、なかなかだったぞ。
それで今日は、何か策があるのか?
知恵の回るお前たち人間のことだ。
まさか無策で再戦を挑むなどとはあるまい。
ふむ……あるらしいな。
だがまさか、もしかして……
そこの草むらに隠されていた、この大鎌の罠ではあるまいな?
青ざめたか。図星だったようだな……
さて戦士よ、この意味がわかるか?
今日も私に挑むというのか。
前回の逃げっぷりは、なかなかだったぞ。
それで今日は、何か策があるのか?
知恵の回るお前たち人間のことだ。
まさか無策で再戦を挑むなどとはあるまい。
ふむ……あるらしいな。
だがまさか、もしかして……
そこの草むらに隠されていた、この大鎌の罠ではあるまいな?
青ざめたか。図星だったようだな……
さて戦士よ、この意味がわかるか?
待っていたぞ、戦士よ。
何やら今日は荷物が多いな。
なに……? その……鎧とやらは、贈り物だと?
どういうつもりだ。
なるほど、甲冑を着せて私の動きを遅くして、その剣で首をはねるつもりか。
追いつけぬなら遅くすればよい、か。
考えたな。うむ、それこそが人間らしい戦い方だろう。
よし、ありがたく頂戴しておこう。
今まではお前が遅すぎて、半分の力も出していなかったからな。
この鎧を着たぐらいでは、少しも追いつかれはせん。
うむ、いい着心地だ。
これなら矢も剣も通さないだろう。
さて戦士よ、この意味がわかるか?
何やら今日は荷物が多いな。
なに……? その……鎧とやらは、贈り物だと?
どういうつもりだ。
なるほど、甲冑を着せて私の動きを遅くして、その剣で首をはねるつもりか。
追いつけぬなら遅くすればよい、か。
考えたな。うむ、それこそが人間らしい戦い方だろう。
よし、ありがたく頂戴しておこう。
今まではお前が遅すぎて、半分の力も出していなかったからな。
この鎧を着たぐらいでは、少しも追いつかれはせん。
うむ、いい着心地だ。
これなら矢も剣も通さないだろう。
さて戦士よ、この意味がわかるか?
戦士よ……老いたな。
人間の寿命とは短いものだな。
どうした、俺に勝負は挑まないのか。
なに?
子供や孫が元気ならばそれでじゅうぶん?
剣を握る力もない?
歩くのもしんどい?
フ……そこを動くな。
そちらに行って足をたたんでやる。
俺の背中に乗れ。
お前も昔のように、また草原を駆け回りたいだろう。
人間の寿命とは短いものだな。
どうした、俺に勝負は挑まないのか。
なに?
子供や孫が元気ならばそれでじゅうぶん?
剣を握る力もない?
歩くのもしんどい?
フ……そこを動くな。
そちらに行って足をたたんでやる。
俺の背中に乗れ。
お前も昔のように、また草原を駆け回りたいだろう。
弓も、鎌も、鎧も、全部お前たち人間からもらった。
これで、俺の生活はずいぶんと楽になった。
お前たちは短命で弱小だが、俺にはない力を持っているらしい。
しかし不思議だ……あれほど名誉にこだわっていたお前が……
どうだ、俺の背で草原を駆ける気持ちは。
そうだ、俺の無防備な首筋は、すぐそこにあるぞ。
お前も戦士の端くれ、短剣の一つは帯びているだろう。
あえてお前の計画にのってやったのだ。
お前への恩に報いるには、これが一番だろうと思ってな。
なに? 刺さない?
なぜだ、なぜ泣いている?
まて……今、その意味を考えているから……
これで、俺の生活はずいぶんと楽になった。
お前たちは短命で弱小だが、俺にはない力を持っているらしい。
しかし不思議だ……あれほど名誉にこだわっていたお前が……
どうだ、俺の背で草原を駆ける気持ちは。
そうだ、俺の無防備な首筋は、すぐそこにあるぞ。
お前も戦士の端くれ、短剣の一つは帯びているだろう。
あえてお前の計画にのってやったのだ。
お前への恩に報いるには、これが一番だろうと思ってな。
なに? 刺さない?
なぜだ、なぜ泣いている?
まて……今、その意味を考えているから……
ギリシア神話に登場する半人半馬の種族。
基本的に野蛮で喧嘩っ早いが、オリンポスの神々側に聞かした者もいるなど「話せばわかる」種族として描かれている。
ギリシア神話は寓意に満ちているので、恐らく乗馬の風習をもった異民族を神話化したものだろう。スキタイ人とも。
古代世界では、戦車(馬に引かせる車)に乗っての射撃がまず強く、馬にそのまま乗って戦う民族などは人外の強さであった。
フレーバーテキストにある通り「平原で、逃げながら矢を撃たれ続ける」戦法に勝ち目がないからである。
ケンタウロスの像の多くは弓を持っているが、古代における強さへの憧れであろう。
lov1のみ参戦。
10年の時を経て、サヴァスロでまさかの復活を果たした。
基本的に野蛮で喧嘩っ早いが、オリンポスの神々側に聞かした者もいるなど「話せばわかる」種族として描かれている。
ギリシア神話は寓意に満ちているので、恐らく乗馬の風習をもった異民族を神話化したものだろう。スキタイ人とも。
古代世界では、戦車(馬に引かせる車)に乗っての射撃がまず強く、馬にそのまま乗って戦う民族などは人外の強さであった。
フレーバーテキストにある通り「平原で、逃げながら矢を撃たれ続ける」戦法に勝ち目がないからである。
ケンタウロスの像の多くは弓を持っているが、古代における強さへの憧れであろう。
lov1のみ参戦。
10年の時を経て、サヴァスロでまさかの復活を果たした。
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