サーヴァントオブスローンズ（サヴァスロ）攻略Wiki（非公式）

「獲物の追い方が、まるでなっちゃいねえ。さぞ高貴なお生まれのことなんだろうな」
焚き火を囲いながら、狩人は赤い瞳の戦士に語りかけた。
「お前さんの知ってる狩りは、小数の獣を大勢で追い回すやり方だ。それも馬の背や馬車に乗りながら、いたぶるようにな。森の狩りでは、俺たちはそんな役じゃねえ」
狩人は捕まえた獣の肉を手際よく捌いて、火にあぶっていく。
そのとき、気まぐれに吹いた風が焚き火を揺らし、かすかな異臭を運んできた。
「お出ましだな。囲まれてるぜ。さあ、大勢から追い回される狩りの時間だ。せいぜい生き残るぞ、赤い瞳の戦士さんよ」
次の瞬間、森の茂みから武器を持ったブラウニーが一斉に飛び出した。

闇の中、音も無く跳びかかるブラウニーの群れ。
狩人と赤い瞳の戦士は奮戦した。
ブラウニーたちの技は見事でも、必ずしも度胸までは伴わないらしい。
矢が頬をかすめ、尻尾を火でこがし、ブラウニーの多くは退散した。
しかし、槍を構えた一匹のブラウニーは逃げる気配もない。
「ウォウ！　お前たち、なかなかやるな！　だけど俺、森の守護者！　最後の一人になっても、森を守るために、戦う！」
人語を解するブラウニーは、槍の切っ先をつきつける。
その構えは堂に入っている――
アルカナの力があるとはいえ、決して油断ならない相手――
だが赤い瞳の戦士は、炎に照らされたその姿に沸き上がる感情を抑えられなかった。
「……か、かわいい……」
「かわいい？　ウォウ？　なんだ、それは！？」
ブラウニーの瞳は好奇心に揺れていた。

「ウォウ？　かわいいって、なんだ！？」
ブラウニーの真っ直ぐな問いに、赤い瞳の戦士は答えに窮する。
「そいつの傷が気になって、説明できないか？　だったら、手当してもいいぞ！　勇敢な森の戦士は、正々堂々！　かくれんぼは、奇襲までだ！」
ブラウニーは地面に槍を突き立てて、休戦の意を明らかにする。
赤い瞳の戦士は、背を向けないように警戒しながら狩人の手当を始めた。
「かわいい……かわいいってなんだ。褒め言葉だ、きっと。どんな褒め言葉か、気になる、気になる！」
ブラウニーは待ちきれない様子で、首をかしげながら槍の周りをぐるぐると回っている。
それを見て、赤い瞳の戦士は呟かずにはいられなかった。
「や、やっぱり……かわいい……」

かわいいとは、心をつかむもの……なるほど、それは強い、きっと。
かわいいとは、強さなんだな。
俺のモフモフが、かわいい？
でも、モフモフしてる仲間なら、もっといっぱいいるぞ。
いえに住むいえブラウニー。
まちに住むまちブラウニー。
あいつらは森じゃなくて、「いえ」とか「まち」に住んでるから、
きっと毛並みも、がさがさしてない、モフモフだ。
いいぞ、狩りはいったんやめだ。
あいつらが、俺よりかわいいかどうか、お前に見てもらおう。
あいつらの方がかわいいなら、俺がもっとかわいくなるだけだ。
行くぞ、紅い瞳のニンゲン。
俺よりかわいいやつに、会いに行く。
だから離せ、ぎゅっとするな。
暑苦しいぞ、赤い目のニンゲン。

森を離れても、いいのかって？
ブラウニーの中には、ニンゲンと一緒に暮らすのもいるんだ。
だからお前たちと一緒にいるのも、変じゃないぞ。
それに、森を守るためにも、もっとかわいくなったほうが、いいはずだ。
ん？　体のほとんどが顔？　短い手足？　それにモフモフ？
それが、かわいさの秘密？　そうなのか？
だったらニンゲン、お前は顔も小さいし、手足も長いし、すべすべだし……
全然かわいくないんだな。
少し、かわいそうだな……
え？　でも意外と大きいのはマイナス？
意外とってなんだ。これが、ブラウニーの普通だ。
それに、俺が大きいなら、お前は大きすぎだ。
ますますもってかわいくないぞ、ニンゲン。
見えてきたぞ。あれがいえブラウニーたちが住む「いえ」だ。
あいつらもなかなか、かわいいと思う。
どうした？　顔が赤いし鼻息も荒いぞ、ニンゲン。
熱でもあるのか？　大丈夫か？

西ヨーロッパを中心に伝承として残る妖精たち。
森や人家に住み着くとされる。

lovでは2から登場。
3からは「ロロ」「ポポ」「ルールー」など、個人名を持つ個性豊かなブラウニーが登場した。
4にも登場している。
「意外と大きい」については、lovの設定では体調は123cm。

サヴァスロでは、個人名ではなくブラウニー種として登場している。
ブラウニー＝森ブラウニー
槍ブラウニー＝家ブラウニー
魔法ブラウニー＝街ブラウニー
という棲み分けのようだ。