スクウェア・エニックス社より配信されているスマートフォンゲーム「サーヴァント オブ スローンズ」(サヴァスロ)の非公式攻略Wikiです。


ワーウルフ

人狼は、日中は人の姿で社会に溶け込んでいる。
月夜の晩には半人半狼の正体を現し、人間を狩る。
人の知恵と狼の凶暴性を合わせ持つ、恐ろしき魔物――
「らしいぜ」
「テキトーなこと書きやがって」
「だよなあ。狩り場では『狼の知恵と人の凶暴性』だっつうの」
「書き直させるか?」
「でもこいつ、もう息してなくね?」
記事を遺体の上に捨て、4体の人狼はそれぞれ闇の中を帰路についた。

第一の晩が明けた。
「みなさん聞いてください。旅の商人さんが死体で発見されました――」
村外れの教会に集まった四人に、緊張が走る。
司祭は重々しく告げる。
「やはりこの中に、人狼が紛れ込んでいる……」
「あんただろ」
「あんただな」
「あんただ」
「あんただと思う」
村人たちは、一斉に司祭を指差す。
「な、なぜ私が!? なぜ、そう思うのです!?」
司祭は狼狽えた。
「だってなぁ」
4人は、あっさりと人の姿を捨てた。
「俺たち全員、人狼だもんよ」
司祭は、腰を抜かして尻餅をついた。
「あのな、司祭サマ。俺たち、夜じゃなくても変身できるわけよ。もし多数決で吊るされることになっても、人間相手に大人しく捕まるわけないぜ」
「な、なんと……人狼……実在して……」
「信じてなかったのに、つるし上げ裁判でもしてたのかい?」
「俺たちは昨日の晩、商人なんて殺してねえ。俺たちのせいに見せかけた、正真正銘人間サマの仕業だ。」
「遺体には、なぜかあんたの匂いがべっとりついてた……」
「さて、本物の人に紛れた狼が誰なのか……面白くなってきたな、司祭サマよ?」

村を後にした4人は、山の中腹で腰を下ろした。
お天道様が高くていけねえ、夜まで寝ようぜ――
ワーウルフの一人がぼやいた。
「最近はどの村に行っても人狼狩りだ」
「ここ数年、流行ってんなあ」
「人間は鼻がきかねえから、人を疑うのが趣味らしいな」
「怖い怖い。嘘をつくのも趣味らしい。どさくさに紛れて、嫌いなやつを始末しようとするやつが大勢だ」
「でもまあ……」
一人のワーウルフが、向かいの岩山を見る。
「吸血人狼とかいうのが、そこら中荒らしてるのも本当だからな」
「血を吸う人狼だから、人間を襲うわけだ」
「人間の作るうまい飯が好物の俺たちとしては、とにかくいい迷惑だな」
「やっちまうか、兄弟?」
「人狼による人狼狩りか。面白そうじゃねえか」

ワーウルフたちは吸血人狼の手がかりを掴んだ。
狼、赤い頭巾、最強を喧伝する凶暴性……
赤い頭巾?
そんな目立つものしてりゃあ、この目には嫌でも映るぜ――
そして4人は、森の奥でそれと対峙する。
「観念しな、はた迷惑な吸血……人……狼……?」
「あら? 新しい挑戦者たちね! かわいい狼が4人も!」
4人は目を疑った。
赤い頭巾をかぶった金髪の少女。
少女が跨がっているのは、ワーウルフすら一飲みしてしまうような巨大すぎる狼。
「人狼……じゃなくて……人と、狼……そのまんまじゃねえか!?」
「はぁ!? 何言ってるのよ!? 私とおばあちゃんは人狼一体! 二人で一人、最強のアカズキンなのでーす!」
「おばあちゃん……どれが、おばあちゃんだ!?」
「狼って、鼻はいいけど目は悪いのね。おばあちゃんは、どう見ても、おばあちゃんでしょ! さあおばあちゃん、最強の力を示すのよ! おばあちゃんパーンチ!」
少女の声と同時に、森が揺れた。
狼の拳が地面にこじ開けた大穴を見て、
ワーウルフたちは散り散りに逃げ出した。

「みんな、無事か……」
「なんとか撒けた、か……?」
「あれは……何だよ……」
「もうダメ……動けねえ……」
アカズキンの執拗な追撃から命からがら逃げ切ったワーウルフたちは、沢のほとりでへばっていた。
どれほどの時間走り続けただろうか。
あの少女と異常に大きな狼は疲れ知らずで、機敏で力強く、何よりも恐るべき執念でワーウルフ達を追い回した。
「最悪だな……今日は新月……回復には時間がかかるぜ……」
「相手も同じ人狼だと思って、新月にしかけたのがまずかったか……」
「あんなの詐欺だろ……今また襲われたら、お終いだな……」
「とにかく、逃げようぜ……少しでも人間のいるところに……」
ガサッ
沢の上流……岩場の茂みから、物音賀した。
「マジかよ……」
ワーウルフたちは、半ば諦めの眼差しで音のした方を見つめる。
だが、現れたのは大きな弓を持った、燃えるような赤髪の女であった。
「あなたたち、大丈夫ですか?」
全身から輝きを放つかのように近づいてくる女に、ワーウルフたちは目を丸くする。
狩人――?
こんな、月もない夜に?
「お嬢さん……感心しねえな……俺たちは見ての通り人狼。声なんてかけるもんじゃねえ。それに」
「それに?」
「この森には、俺たちよりもずっとおっかねえ化物が出るんだ。赤い頭巾と、狼のな。俺たちはほっといて、早く逃げろ……あれ?」
ワーウルフは立ち上がった。
全身を押しつぶすようだった疲れが、消えている。
「な、なんだこりゃ……満月のときみたいに、力がみなぎってくる!」
他のワーウルフたちも、次々と歓声を上げた。
体が軽い。疲労どころか、体の隅々に力が行き渡っているではないか。
赤い髪の女は、やわらかく微笑む。
「自己紹介が遅れましたね、心優しい人狼さんたち。私は月の女神アルテミス。この近くにいるロードの一団にて、ロードの敵を射貫く者……何やら危機のようですし、よければ私と一緒に来ませんか?」
ワーウルフたちは立ち上がって、歓声を上げた。
「最高だ! まさにあんたは、俺たちの女神様ってわけだ!」
新月の森に、人狼の遠吠えが響いた。


余談
ヨーロッパを中心とする人狼伝説。
昼は人間の姿をしており、夜になると狼人間になって人間を襲うとされる。
虚〜実は、現代で人気のパーティゲーム『人狼ゲーム』を、人狼側を正義にした逆パロディの模様。

lovでは1.0から登場。人間の姿でいるPRカードも登場した。
同じく1.0から登場しているウィッチと共に旅をするようになり、ドタバタコンビながらもシリーズを通していい雰囲気になっていった。
3からはワーウルフではなく「ワング」という個人名でカード化される。
3は開始時にウィッチが行方不明であり、ウィッチのライバルであったバーバーヤーガ(サヴァスロのショップの店員)と旅をしていた。
3末にウィッチ(個人名マルグリッド)登場後は彼女のフレーバー物語が複雑化するが、残念ながらワングは重要なポジションを降ろされてしまったようだ。

サヴァスロでは、4体が同時に登場。
ワーウルフ種の群生であり、ワングではないらしい。
フレーバーテキストもそれに合わせて書かれている。

でも全員眼帯をしている。

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