仙女は妖しく、だが無邪気にほほ笑む。
「おぬしら、水はどこから出づるか知るか?
海か? 川か? ほう、雲か?
どれもはずれじゃ。
答えはこの仙女の宝貝より生まれ出づ。
さて、ならば次はわかろう?
そう、水は高きから低きへと流るる。
すなはち、おぬしたちは水底を味わえるぞ。
今宵は暑い、とくと喜べ!」
仙女がからからと笑うと、敵軍はあふれ出る水流に蓋をされた。
「おぬしら、水はどこから出づるか知るか?
海か? 川か? ほう、雲か?
どれもはずれじゃ。
答えはこの仙女の宝貝より生まれ出づ。
さて、ならば次はわかろう?
そう、水は高きから低きへと流るる。
すなはち、おぬしたちは水底を味わえるぞ。
今宵は暑い、とくと喜べ!」
仙女がからからと笑うと、敵軍はあふれ出る水流に蓋をされた。
「しかしそなたの提案はまことに見事。
水の高きから低きに流るるならば、高き位置を占めよとは道理であろう」
仙女――竜吉公主は、紅い瞳のロードに語り掛ける。
「この塔から妾が水を打つ限り、下界は激流に大海。安心するがよいぞ」
仙女の目……時にあどけない少女とすら思わせる見せる面影が、きゅっと彼方を懐かしむ。
「うむ……こうして高所から水を眺めていると、思い出すのう。
あの太公望と釣りをしたときのことを。
はて、いつのことだったか……」
水の高きから低きに流るるならば、高き位置を占めよとは道理であろう」
仙女――竜吉公主は、紅い瞳のロードに語り掛ける。
「この塔から妾が水を打つ限り、下界は激流に大海。安心するがよいぞ」
仙女の目……時にあどけない少女とすら思わせる見せる面影が、きゅっと彼方を懐かしむ。
「うむ……こうして高所から水を眺めていると、思い出すのう。
あの太公望と釣りをしたときのことを。
はて、いつのことだったか……」
「ふむ……なるほど、確かに妾は水を生めど湯は生めん。
だがそうやって妾が汲んだ水を湯に変えれば、確かにその計略たるや、さらなる威力を持つであろう。
む……なぜ、服を脱ぐでありんす?
まさか……最初から妾の水で湯をわかし、風呂に入るつもりで!?
ええい……妾も入らせよ!
うむ、よい! ちと狭いが、よい湯加減ぞ、これは!」
だがそうやって妾が汲んだ水を湯に変えれば、確かにその計略たるや、さらなる威力を持つであろう。
む……なぜ、服を脱ぐでありんす?
まさか……最初から妾の水で湯をわかし、風呂に入るつもりで!?
ええい……妾も入らせよ!
うむ、よい! ちと狭いが、よい湯加減ぞ、これは!」
「ふう……ひと風呂浴びた後の水は最高じゃの。
それにしてもお主……なかなか、よい体をしておったではないか。
妾ほどではないが……色香の術も、乞うならば教えるぞ?
なに、興味はない?
ほほほ、おぼこなことよ!
使える武器はすべて使う、これぞ真の戦というものであろう!
ならば次は見せてやろうかの。
塔の頂に風呂をくべて、鼻の下を伸ばす者どもに水流と色香の二重の攻撃を!
お主もそこで指揮を執るがよい!
む? 恥ずかしいから駄目?
まことにおぼこじゃのう。耳まで真っ赤ではないか。
え、恥ずかしいのは妾の思考? そ、そうなのかえ……?」
それにしてもお主……なかなか、よい体をしておったではないか。
妾ほどではないが……色香の術も、乞うならば教えるぞ?
なに、興味はない?
ほほほ、おぼこなことよ!
使える武器はすべて使う、これぞ真の戦というものであろう!
ならば次は見せてやろうかの。
塔の頂に風呂をくべて、鼻の下を伸ばす者どもに水流と色香の二重の攻撃を!
お主もそこで指揮を執るがよい!
む? 恥ずかしいから駄目?
まことにおぼこじゃのう。耳まで真っ赤ではないか。
え、恥ずかしいのは妾の思考? そ、そうなのかえ……?」
「失言であったな……うむ、妾も少し調子に乗った。
色香をもって国を傾かすなど、先の大戦の狐狸精・妲己がごときあさましき事。
そう、人界と仙界をまたいだ先の大戦……
はて……先の大戦とは、なんじゃ?
その後、妾は……崑崙山から解き放たれ……
……湯煙のようにおぼろげな、
だが大事なところはしかと隠してしまうかのような、
この曖昧な記憶……
この世界に来る際に、ずいぶんと抜け落ちてしまったようじゃ。
どれ、もう一風呂浴びて考えるぞ。
さ、妾の背中を流すがよい!」
色香をもって国を傾かすなど、先の大戦の狐狸精・妲己がごときあさましき事。
そう、人界と仙界をまたいだ先の大戦……
はて……先の大戦とは、なんじゃ?
その後、妾は……崑崙山から解き放たれ……
……湯煙のようにおぼろげな、
だが大事なところはしかと隠してしまうかのような、
この曖昧な記憶……
この世界に来る際に、ずいぶんと抜け落ちてしまったようじゃ。
どれ、もう一風呂浴びて考えるぞ。
さ、妾の背中を流すがよい!」
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