スクウェア・エニックス社より配信されているスマートフォンゲーム「サーヴァント オブ スローンズ」(サヴァスロ)の非公式攻略Wikiです。


ジークフリート


財宝を蓄えていた暴竜は、命乞いをしなかった。

この財方は交渉のための道具ではない。
我が万物より奪いし証。我が生きた証。
我を打ち倒し勝者にくれてやる褒美。
だが見事なる人間の王子よ、それだけでは飽き足らぬ。
我が血の祝福も、受け取れい――

暴竜はジークフリートに鮮血を浴びせて、息絶えた。
ジークフリートは、その体が不死に変わることを実感した。
彼はこの遠征において、初めて戸惑った。

これでは……「勇敢に戦い死ぬ」ことができない。
彼女が待つヴァルハラに、行けないではないか――!


愛しのブリュンヒルデ。
死した勇敢な戦士の魂をヴァルハラへと送る、ワルキューレの娘。

将来を誓い合った彼女と結ばれるために、私は全ての力をもって生を全うしなければならない。
卑怯や不実はあってはならない。
ヴァルハラへ行けるのは、勇敢に戦い敗れた戦士の魂のみなのだから。

だが……今や私の力には「不死身」すら加わった。
ああ、追いかけるほどに遠ざかる、円環無限の宿命よ。

その時だった。
暴竜の秘宝の中、黄金に輝く指輪が、凶々しい煌めきで私の瞳をとらえたのは。


「ニーベルングの指輪」。
それは恐るべき秘宝だった。
生命力を代償に、使用者と武器を一体化させ鬼人と変える変化の秘宝。

私が受けた不死の加護すら凌駕するほどの消耗が体を襲う。
私は歓喜した。
これならば……この指輪を用いれば……私は不死を捨て、敗れることができる!

しかしその喜びはすぐに失望へと変わった。
この指輪の力で鬼人となった私は、さらに敗北から遠ざかってしまったのだから。


原因を辿れば結果に着く。
結果を辿れば原因が生まれる。
ねじれた指輪のように、指で裏を辿ればいつの間にか表に、表を辿り気がつけば裏に。

まるで、私の運命が弄ばれているかとしか思えないこの数奇。
いつか、彼女と結ばれることはあるのだろうか?
例え私が生き続けたとして、天寿を全うする瞬間に「不老」の祝福……いや、呪いがないとも限らない。

私は理解した。
表もなく裏もない、ねじれた円環の理を打破しなければならない。
それこそが私の最強にして最大の敵というならば――

この剣、同じく因果を曲げんとする者にこそ捧げよう。
そして、その死闘の行く末を見極めよう。


私は笑った。
私を迎え入れたロードの一団には、ブリュンヒルデの同僚も、その主すらもいた。

本来彼女との再会の後に出会うべき人々と、彼女よりも先に邂逅を果たす。
かつての私ならば、このような運命の悪戯を歯がゆく思い、冗長を強いられる生を呪っていたことだろう。

だが、裏表、前後、その考えが無意味だとしたら。
坂は坂。立つ位置によって上り坂や下り坂と名が変わるだけ。
だから、私の生というただ一つの時があるとして……
時の流れが、決して一方向と限らないとすれば。

いつ会えるかが重要では無い。
いつか会えることが重要なのだ。

不死の力も指輪の力も、彼女へと続くこの輝かしき生を彩るために用いよう。
それが、このジークフリートの生き様という剣だ。


余談
ドイツの伝承「ニーベルンゲンの歌」に登場するネーデルランドの王子であり、主人公。
「ニーベルンゲンの歌」は、ジークフリートの活躍、その死、妻クリームヒルトの復讐劇、その死という悲劇的な伝承。
1200年ごろの成立で、伝承の舞台は500年〜600年代となっている。
これには竜もワルキューレも忘れ薬も出てこない。

これを元に、近代に大きく脚色されて作曲されたのが、ワーグナーの「ニーベルングの指輪」である。
制作期間は1848年から1874年の35年間で4部制作、通しで上演すると15時間かかるので三日に分けるという超長大なオペラに仕上がった。
竜を殺して不死となったジークフリート、ワルキューレとの恋などは、こちらの内容。
lovのジークフリートもワーグナーの「ニーベルングの指輪」を原作としているようだ。

lovでは3から登場。
マナを消費することで「不死性を失うが絶大な攻撃力を得る指輪」の力を解き放つチェンジ能力の使い魔であった。

サヴァスロでは『七つの大罪』コラボ「メリオダス」のリンクカードとして登場。
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