とある世界のとある時代。
砂漠に囲まれた地域、浅い海を望む緑の丘の上に、賢王の治める国があった。
賢王の名はソロモン。
幼きソロモンは、神から贈り物を尋ねられたとき「知恵」と答えた。
神は喜び、ソロモンに「知恵の輪」と「ラジエルの書」を渡したという。
ソロモンはますますの叡智をもって国を治め、その知恵で天使や悪魔すら使役したという――
「……というわけです。どうです? すごいでしょう?
なんかピンと来てないご様子……
え、どうせならその人を召喚したかった……?
私です! ちっちゃいですけど、私のことですよ!
もう! 悪魔さん、出てきてください!
このロードさんに、たっぷりお勉強してもらいましょう!」
砂漠に囲まれた地域、浅い海を望む緑の丘の上に、賢王の治める国があった。
賢王の名はソロモン。
幼きソロモンは、神から贈り物を尋ねられたとき「知恵」と答えた。
神は喜び、ソロモンに「知恵の輪」と「ラジエルの書」を渡したという。
ソロモンはますますの叡智をもって国を治め、その知恵で天使や悪魔すら使役したという――
「……というわけです。どうです? すごいでしょう?
なんかピンと来てないご様子……
え、どうせならその人を召喚したかった……?
私です! ちっちゃいですけど、私のことですよ!
もう! 悪魔さん、出てきてください!
このロードさんに、たっぷりお勉強してもらいましょう!」
ふふふ……簡単な問題ですね。
ロードさん、あなたは魔法の腕はなかなかですが、大軍を率いるのはあまり慣れていないご様子。
ここは元王様である私が教えてあげますよ。
よーく聞いておいてくださいね。
ずばり……戦は数です(ドヤッ)
1000と500の軍勢がぶりかりあえば、500対0になる……ではありませんね?
まず最初のぶつかりあいで、900対300ぐらいになるでしょう。
次に850対100ぐらいになって……
最後は840対0って感じでしょうかね。
つまり、お互いの戦力差は二次関数的に拡大していって……
だからこの私の出番なのです!
飛んでる強い悪魔さんを、ずんずん呼びますよ。
しかも私はなんと……対地対空、広範囲を魔法でドーン!
ちょ、ちょっと見栄をはりました。広範囲を魔法でポンッ……ってぐらいです。
威力はあまりありませんが、威力不足は悪魔さんたちがなんとかしてくれる……でしょう。
助け合ってこその王国運営なのです!
ロードさん、あなたは魔法の腕はなかなかですが、大軍を率いるのはあまり慣れていないご様子。
ここは元王様である私が教えてあげますよ。
よーく聞いておいてくださいね。
ずばり……戦は数です(ドヤッ)
1000と500の軍勢がぶりかりあえば、500対0になる……ではありませんね?
まず最初のぶつかりあいで、900対300ぐらいになるでしょう。
次に850対100ぐらいになって……
最後は840対0って感じでしょうかね。
つまり、お互いの戦力差は二次関数的に拡大していって……
だからこの私の出番なのです!
飛んでる強い悪魔さんを、ずんずん呼びますよ。
しかも私はなんと……対地対空、広範囲を魔法でドーン!
ちょ、ちょっと見栄をはりました。広範囲を魔法でポンッ……ってぐらいです。
威力はあまりありませんが、威力不足は悪魔さんたちがなんとかしてくれる……でしょう。
助け合ってこその王国運営なのです!
むきー! 第52公爵さん!
元王様の勉強中に、汗ほとばしる情熱的な演奏はやめてください!
絶対わざとやってますね!?
はいお外! お外の草原で練習してください! 行った行った!
あのー、第56公爵さん。
髪を編み編みしてくれるのは嬉しいのですが、私のお勉強の後にしましょう、ね。
え? 未来予知で勉強が上手くいかない未来が見えたから?
それはあなたがそうしてるからでしょう!
ええ、では続きをお願いします、第10総裁さん。
……いや、そっちではなくて……教えてほしいのは薬草の知識です!
後のお顔で、ひ、ひ、ひわいな授業は……いいんです!
前のお顔で、薬草の調合と効果を教えてください!
そうそう……なるほど、その薬草は催淫の効果? 催淫ってなんですか?
ふむふむ……も、もう〜!
……
ふええ……悪魔さんたちのお相手は大変です……
実は私が呼んでるんじゃなくて、いつも勝手に集まってきているだけなんですけど……
「からかいがいがある」ってだけで……
ロードさんには、ばれてませんよね……?
大丈夫大丈夫……
元王様の勉強中に、汗ほとばしる情熱的な演奏はやめてください!
絶対わざとやってますね!?
はいお外! お外の草原で練習してください! 行った行った!
あのー、第56公爵さん。
髪を編み編みしてくれるのは嬉しいのですが、私のお勉強の後にしましょう、ね。
え? 未来予知で勉強が上手くいかない未来が見えたから?
それはあなたがそうしてるからでしょう!
ええ、では続きをお願いします、第10総裁さん。
……いや、そっちではなくて……教えてほしいのは薬草の知識です!
後のお顔で、ひ、ひ、ひわいな授業は……いいんです!
前のお顔で、薬草の調合と効果を教えてください!
そうそう……なるほど、その薬草は催淫の効果? 催淫ってなんですか?
ふむふむ……も、もう〜!
……
ふええ……悪魔さんたちのお相手は大変です……
実は私が呼んでるんじゃなくて、いつも勝手に集まってきているだけなんですけど……
「からかいがいがある」ってだけで……
ロードさんには、ばれてませんよね……?
大丈夫大丈夫……
第一公爵さん……ご報告ありがとうございます。
天体の運行を見るに、まるで動いていない……?
ならばなぜ日が昇り月が照るのでしょう?
第二公爵さん……新しい言葉の収集ははかどりましたか?
まるで存在しない?
そういえば、ここに来てから言葉で困ったことはありませんね……
かつてあなたから万の言葉を学んだ私だけでなく、ロードさんまでそんな風に見えます。
第三君主さん……見えない? 過去と未来を見通すあなたが……どちらも?
それは何か……魔力や企みによって遮られているということですか?
そういう感じではない? そもそも“無い”……?
おや、あなたは……
「おお、さすが元王様。勉強熱心なもんだな」
フードの魔術師さん……
まあ、知的好奇心こそが私ですから。
「難しいこと考えすぎると熱出るぜ。ほどほどにしとけよ」
はい、ありがとうございます。そうします。
ところで、魔術師さん。
「ん、なんだ」
あなたの持っているその機械みたいなご本……
とっても興味があるのですが、良ければ見せていただけませんか?
聞けば機甲グリモワールと言うそうで。
グリモワールというのなら、悪魔さんについて書かれているのでは?
「悪魔……ちと、ちがうな。
もっとなんつーか……
いろんな仕様とかロードマップについて書かれてるんだよ。
ええと……まあ、ちと変わった魔術の体系だな。
他のやつらならともかく、お前さんには見せるわけにはいかねえ。
理解されちまうかもしれねえから」
むむむ……ますます気になります……
この好奇心お化けの私に、火をつけてしまいましたね……?
「あーうそうそ。
本当はな、すっげえ卑猥なことばっか書いてんだ。
俺の趣味、かなりぶっ飛んでてよ。
だから絶対誰にも見せたくねえの。
ほれ元王様、見るか? すごいぞー」
いいえ、けっこうです!
ち、近寄らないでください! しっし!
天体の運行を見るに、まるで動いていない……?
ならばなぜ日が昇り月が照るのでしょう?
第二公爵さん……新しい言葉の収集ははかどりましたか?
まるで存在しない?
そういえば、ここに来てから言葉で困ったことはありませんね……
かつてあなたから万の言葉を学んだ私だけでなく、ロードさんまでそんな風に見えます。
第三君主さん……見えない? 過去と未来を見通すあなたが……どちらも?
それは何か……魔力や企みによって遮られているということですか?
そういう感じではない? そもそも“無い”……?
おや、あなたは……
「おお、さすが元王様。勉強熱心なもんだな」
フードの魔術師さん……
まあ、知的好奇心こそが私ですから。
「難しいこと考えすぎると熱出るぜ。ほどほどにしとけよ」
はい、ありがとうございます。そうします。
ところで、魔術師さん。
「ん、なんだ」
あなたの持っているその機械みたいなご本……
とっても興味があるのですが、良ければ見せていただけませんか?
聞けば機甲グリモワールと言うそうで。
グリモワールというのなら、悪魔さんについて書かれているのでは?
「悪魔……ちと、ちがうな。
もっとなんつーか……
いろんな仕様とかロードマップについて書かれてるんだよ。
ええと……まあ、ちと変わった魔術の体系だな。
他のやつらならともかく、お前さんには見せるわけにはいかねえ。
理解されちまうかもしれねえから」
むむむ……ますます気になります……
この好奇心お化けの私に、火をつけてしまいましたね……?
「あーうそうそ。
本当はな、すっげえ卑猥なことばっか書いてんだ。
俺の趣味、かなりぶっ飛んでてよ。
だから絶対誰にも見せたくねえの。
ほれ元王様、見るか? すごいぞー」
いいえ、けっこうです!
ち、近寄らないでください! しっし!
戦いに勝つとはどういうことか?
真の勝者とは、叡智をもって万人と有効な関係を築き、戦いを未然に防ぐ……
そもそも戦いを起こさないものではないか?
そんな風に思っていた時期が、私にもありました――
しかし平和に膿んだ私の国は、外敵の侵入によってあっさりと崩壊してしまったのです。
私はたくさんの人や、天使さんや悪魔さんと仲良くするあまり、「わかりあえない相手がいる」ということを忘れてしまっていました。
賢王どころか、ポケポケ王だったのです。
私は――外敵を決して、悪だとは思いません。
お腹を空かせて倒れそうな猛獣の前に、無垢な雛鳥が現れた……
猛獣が雛鳥を食べて生き残るか、雛鳥を食べずに猛獣が死ぬか。
結局、猛獣も雛鳥も「そういうものだ」として、互いを自衛するしかないのです。
雛鳥は食べられまいと猛禽を目指し、さらに知恵を磨く。
猛獣はそれでも食べてやろうと爪と牙と、知恵を研ぐ。
いずれの立場でも……戦わざるものに微笑む運命はありません。
えーと、ですからね、あなたの過酷な運命も……
回り回ってあなたを鍛え、やがての幸福の礎となっていると思うのです。
もしこの戦乱がなく、万事、平穏無事に進んでいたとして……
きっとそれは何者かによって作られた理想で、順調なだけの破滅への道のりだったのではないでしょうか。
ロードさん……決戦の時は近いと思います。
ですが共に立ち向かいましょう。
あなたのそばには、このソロモンと72の悪魔がいますよ!
真の勝者とは、叡智をもって万人と有効な関係を築き、戦いを未然に防ぐ……
そもそも戦いを起こさないものではないか?
そんな風に思っていた時期が、私にもありました――
しかし平和に膿んだ私の国は、外敵の侵入によってあっさりと崩壊してしまったのです。
私はたくさんの人や、天使さんや悪魔さんと仲良くするあまり、「わかりあえない相手がいる」ということを忘れてしまっていました。
賢王どころか、ポケポケ王だったのです。
私は――外敵を決して、悪だとは思いません。
お腹を空かせて倒れそうな猛獣の前に、無垢な雛鳥が現れた……
猛獣が雛鳥を食べて生き残るか、雛鳥を食べずに猛獣が死ぬか。
結局、猛獣も雛鳥も「そういうものだ」として、互いを自衛するしかないのです。
雛鳥は食べられまいと猛禽を目指し、さらに知恵を磨く。
猛獣はそれでも食べてやろうと爪と牙と、知恵を研ぐ。
いずれの立場でも……戦わざるものに微笑む運命はありません。
えーと、ですからね、あなたの過酷な運命も……
回り回ってあなたを鍛え、やがての幸福の礎となっていると思うのです。
もしこの戦乱がなく、万事、平穏無事に進んでいたとして……
きっとそれは何者かによって作られた理想で、順調なだけの破滅への道のりだったのではないでしょうか。
ロードさん……決戦の時は近いと思います。
ですが共に立ち向かいましょう。
あなたのそばには、このソロモンと72の悪魔がいますよ!
紀元前971年から在位した、古代ヘブライ王国の王ソロモン。首都はエルサレム。
神から知恵の輪とラジエルの書を授かり、その叡智により天使や悪魔すら使役したという。
知恵者としてはシバの女王との智慧比べの話が有名。
日本で有名な江戸時代の江戸町奉行「大岡裁き」も、聖書にあるソロモン王の知恵と仁政を表わすエピソードから取られている。
(一人の子供を巡って、二人の女が「自分の子供だ」と主張して現われた。
ソロモンは「ではその子を剣で真っ二つに切り、二人半分ずつ所有せよ」と言った。
片方の女は「そんなにもかわいそうなことはできない、それならあきらめます」と言った。
そろもんはそれを聞き「そなたが母だ」と言った)
※この場合、意見をひっこめる=王を相手に真実はともかく嘘をついていたと認めることであり、罪に問われることである。
保身のためでなく子を想いそういう決断ができたという点で、ソロモンはその女を評価した。
この「そなたが母だ」は、血統的に真実であったかどうかは定かではないとも取れる。
(思いやりの心をもった者が、血筋を超えて養育者にふさわしいと考えた説)
ソロモンの死後2000年以上が経ち中世になると、ソロモンが使役したとされる72の悪魔が書物にまとめられ、悪魔学となる。
地獄において様々な役割・地位を持つそれらの悪魔はソロモン72柱と言われる。
なお、「ソロモン=悪魔の王」のような認識は世界にはない。
悪魔すら使役していた王、その使役されていたという悪魔の辞典が「ソロモン72柱」と名付けられただけで、ほとんどの宗教において聖人扱いである。
正教会(東欧諸国のキリスト教会)では聖人に列せられており、イスラム教においてもムハンマドに先駆ける預言者の一人としてイエスと同様に認められている。
「ソロモン? 知ってる、悪魔の王でしょ!」などと信者に言ったら洒落にならない。
(※ソロモンが使役したという天使や悪魔というのは、首都エルサレムを訪れた優れた異邦人・異民族の例えであったとの説もある)
lovでは3から登場。lov3と4での名前は「キング・ソロモン」とキングがつく。
魔種最大コスト最高レアリティであり、敵を倒すごとに自身の攻防を強化していく無限の成長性を持っていた。
lovにはソロモン72柱の悪魔は使い魔として多数参戦しており、それらとの絡み…ほとんどからかわれているだけだが…がフレーバーの定番化。
悪魔たちの愛を集めるお子ちゃま化が止まらない。
サヴァスロでは、お子様でありながら少しは知恵者らしさも保っている。
ソロモン72柱の中では、衝波のフォカロルが参戦中。
ソロモンのフレーバーテキスト中に登場する
56公爵=フォカロル
52公爵=グレモリー
10総裁=ブエル
であり、どれもlovには登場している。
神から知恵の輪とラジエルの書を授かり、その叡智により天使や悪魔すら使役したという。
知恵者としてはシバの女王との智慧比べの話が有名。
日本で有名な江戸時代の江戸町奉行「大岡裁き」も、聖書にあるソロモン王の知恵と仁政を表わすエピソードから取られている。
(一人の子供を巡って、二人の女が「自分の子供だ」と主張して現われた。
ソロモンは「ではその子を剣で真っ二つに切り、二人半分ずつ所有せよ」と言った。
片方の女は「そんなにもかわいそうなことはできない、それならあきらめます」と言った。
そろもんはそれを聞き「そなたが母だ」と言った)
※この場合、意見をひっこめる=王を相手に真実はともかく嘘をついていたと認めることであり、罪に問われることである。
保身のためでなく子を想いそういう決断ができたという点で、ソロモンはその女を評価した。
この「そなたが母だ」は、血統的に真実であったかどうかは定かではないとも取れる。
(思いやりの心をもった者が、血筋を超えて養育者にふさわしいと考えた説)
ソロモンの死後2000年以上が経ち中世になると、ソロモンが使役したとされる72の悪魔が書物にまとめられ、悪魔学となる。
地獄において様々な役割・地位を持つそれらの悪魔はソロモン72柱と言われる。
なお、「ソロモン=悪魔の王」のような認識は世界にはない。
悪魔すら使役していた王、その使役されていたという悪魔の辞典が「ソロモン72柱」と名付けられただけで、ほとんどの宗教において聖人扱いである。
正教会(東欧諸国のキリスト教会)では聖人に列せられており、イスラム教においてもムハンマドに先駆ける預言者の一人としてイエスと同様に認められている。
「ソロモン? 知ってる、悪魔の王でしょ!」などと信者に言ったら洒落にならない。
(※ソロモンが使役したという天使や悪魔というのは、首都エルサレムを訪れた優れた異邦人・異民族の例えであったとの説もある)
lovでは3から登場。lov3と4での名前は「キング・ソロモン」とキングがつく。
魔種最大コスト最高レアリティであり、敵を倒すごとに自身の攻防を強化していく無限の成長性を持っていた。
lovにはソロモン72柱の悪魔は使い魔として多数参戦しており、それらとの絡み…ほとんどからかわれているだけだが…がフレーバーの定番化。
悪魔たちの愛を集めるお子ちゃま化が止まらない。
サヴァスロでは、お子様でありながら少しは知恵者らしさも保っている。
ソロモン72柱の中では、衝波のフォカロルが参戦中。
ソロモンのフレーバーテキスト中に登場する
56公爵=フォカロル
52公爵=グレモリー
10総裁=ブエル
であり、どれもlovには登場している。
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